レポート
金融庁新ガイドラインから考える金融機関のサイバーセキュリティ強化とPenteraの活用
2024年6月、金融庁が発表した「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(案)は、金融機関に対するサイバーセキュリティの要件を強化するもので、金融業界に大きな影響を与えると見込まれています。本記事では、このガイドラインの主な内容を解説し、さらに自動化されたペネトレーションテストツール「Pentera」がどのようにガイドラインの要件を満たし、金融機関のセキュリティ強化に貢献するかを考察します。
ガイドラインの概要と重要性
今回のガイドラインは、金融機関が進化するサイバー脅威に適切に対応できるようにするために策定されました。特に注目すべきポイントは次の通りです。
- リスクベースアプローチの強調
- 金融機関のシステムにおけるリスクを適切に評価し、それに基づいた対策を講じることを要求しています。
- 継続的な改善活動
- 組織全体でサイバーセキュリティの体制を継続的に改善し、更新し続けることの重要性が強調されています。
- 高度なペネトレーションテストの推奨
- 実際の攻撃を模擬した高度なテストが、組織の脆弱性をより的確に把握し、対応策を立案するために推奨されています。
これらの要素は、金融機関がサイバーセキュリティを「守り」から「攻め」に転じ、プロアクティブにリスクに対応するための指針となっています。
ペネトレーションテストの位置づけとPenteraの対応
ガイドライン内の「脆弱性診断及びペネトレーションテスト」では、ペネトレーションテストの実施に関して具体的な要求事項が示されていますが、各要件に対するPenteraの対応を見ていきます。
- 基本的な対応事項
-
システムの重要度に応じた定期的なテストの実施 : Penteraは重要システムに対して、任意のタイミングで柔軟にテストを実施可能。
定期的なテストやスケジュールの設定も簡単です。対象範囲の明確化(外部公開Webサイト、Webアプリケーション、モバイルアプリケーション等) : PenteraはWebアプリケーションから内部システムまで幅広い対象に対応し、包括的なテストが可能です。加えて、Active Directoryのパスワード強度アセスメントなど、重要な内部環境の診断もサポートします。
結果の優先順位付けと迅速な対応 : Penteraは実際の攻撃シナリオに基づいた優先順位付けが可能で、迅速に対応すべき脆弱性を明確にします。
- 望ましい対応事項
-
内部環境も含めた包括的なテスト : Penteraはインターネットに接続していないスタンドアローン環境でも動作可能で、内部システムの包括的なテストを実行できます。
脅威ベースのペネトレーションテスト(TLPT)の実施 : Penteraは最新の脅威インテリジェンスを取り入れ、実際の攻撃者の手法を模したシナリオを使用してテストを実施できます。
Penteraを活用した金融機関のセキュリティ強化
Penteraは、金融庁のガイドラインに沿った対応を提供し、次のような点で金融機関のセキュリティ強化に寄与できると考えます。
- 継続的な改善活動の促進
- 任意のタイミングで繰り返しテストを実施でき、対策の効果を迅速に検証できるため、PDCAサイクルを効率化します。
- 内部人材によるテストの容易化
- 直感的なユーザーインターフェースにより、専門的な知識がなくても高度なテストを自社内で実施可能です。レッドチームやブルーチームのスキル向上を図り、外部依存を軽減します。
- リアルタイム脅威への対応力強化
- Penteraは最新の攻撃手法を取り入れたテストを実行し、セキュリティチームの実践的な対応力を強化します。
- コスト効率の向上
- 自動化により頻繁なテストが低コストで実現でき、人員をより戦略的な業務に集中させることが可能です。
今後の展望
金融庁のガイドラインは、金融機関にとってサイバーセキュリティ対策を強化するための重要な指針となります。Penteraのような先進的なツールを導入することで、ガイドラインの要件を効率的に満たし、より高度なセキュリティ対策を講じることができます。
ただし、ツールの導入だけでなく、組織全体のセキュリティ意識向上や専門家の育成、経営層の積極的な関与が不可欠です。Penteraは、こうした包括的なセキュリティ戦略の中心的役割を担うツールとして、金融機関のサイバーセキュリティ体制の強化に貢献します。
当社ではPentera導入支援を含めたセキュリティに関するコンサルティングサービスを提供しており、お客様のニーズに応じた専門的なサポートを実施いたします。Penteraの活用を検討されているお客様へ、ガイドラインに対応した効果的なセキュリティ体制の構築を提案いたします。